週末の日曜日、いかがお過ごしでしょうか。
今日は、駅伝誕生の日だそうです。1917年、京都から東京上野不忍池までの約500kmを3日間かけて走ることがきっかけでした。
さて、本日は、”バフェットの銘柄選択術”で学んだ分析方法を使って、企業分析を実践してみます。本日は、住友商事(銘柄コード:8053、以下同社と呼びます)です。バフェットは2020年に5大商社(三井物産、三菱商事、丸紅、住友商事、伊藤忠商事)の株式をそれぞれ7~8%程度購入しています。また、3月17日には、それぞれ9%程度の株式を追加購入しました。
企業分析パート
Q1.その企業は消費者独占力を持っているか
同社は、鉄鋼、自動車、輸送機・建機、都市総合開発、メディア・デジタル、ライフスタイル、資源、化学品・エレクトロニクス・農業の分野において、トレーディング(仲介業)と事業投資(他社の株式の取得)を行う総合商社です。
下記のバフェットの判定基準にそって判断します。
Q.採算を度外視したとして、同社と同程度の競争力のある企業を作れるか?
A.同業他社が複数あるので、同等の企業を作れないと断定することはできません。しかし、65カ国127拠点での事業展開を考慮すると、新規参入企業を作るのは非常に困難です。
Q.同社の製品の品質、ユニークさはお客が購入する最大の決め手となっているか?
A.他にも同様の製品やサービスを提供する会社があるので、”はい”とは言えません。しかし、金属資源だけではなく、非資源事業に力を入れているのが特徴的です。特に、航空機リース機体保有台数世界第2位、国内ケーブルテレビ事業運営No.1の実績があるなど、コングロマリットとしてのユニークさがあります。
Q2.その企業の事業内容を理解しているか?
一言で説明するのが難しいので、ChatGPTに同社の事業内容をビジネスキャンバスでまとめてもらいました。その後、有価証券報告書、統合報告書等をチェックして、修正したのが下記の図です。
顧客セグメント
・輸送機・建機、金属、資源・化学品、インフラ、生活・不動産等の分野で多岐にわたる顧客
・資源だけではなく、非資源(輸送機・航空機、生活関連ビジネス等)の顧客も多い
価値提案
・”自利利他公私一如”(自社だけではなく、国家や社会を利すること)、”企画の遠大性”、”事業は人なり”の事業精神で経済、環境・社会価値を創造
チャネル
・連結対象884社での企画、営業活動
顧客との関係
・国内外に広がる多数の顧客
・100年の歴史を持つ不動産ビジネス
収益の流れ
・2024年のセグメント別の当期利益は、輸送機・建機(40%)、金属(19%)、資源・化学品(14%)、他(2024年度有価証券報告書, p166)
主要活動
・グローバルなネットワーク、専門知識、資本力
主要リソース
・連結従業員数:約81,288人の人的資本
・連結総資産11兆円の財務資本
パートナー
・各業界の企業など、多様なパートナーと協力(例:Sunstate Equipment社(米国 建機レンタル事業、SUMITEC(欧米中東アジア コマツ製等の建機の代理店・販売店))
・顧客を含めた取引先の特定投資株式の保有が特徴的(約60社程度)
コスト構造
・原価率が約80~97%、販管費率は2~14%程度
Q3.その企業の製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
金属などの資源を扱うビジネスだけではなく、今後成長が見込めそうな食料等の分野にも力を入れています。答えは、”はい”が該当します。
Q4.その企業はコングロマリットか?
有価証券報告書では、同社の事業は、鉄鋼、自動車、輸送機・建機、都市総合開発、メディア・デジタル、ライフスタイル、資源、化学品・エレクトロニクス・農業の分野の9分野のセグメントでした。傘下の893社の連結子会社は、上記の事業のいずれかの事業に属しています。そのため、回答は”はい”です。
企業分析パートのQ4までは、以上です。いかがでしたでしょうか?
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