皆さん、こんばんは。
週末の土曜日、いかがお過ごしでしょうか。寒い日が続きますが、お仕事されている方もお休みされている方も、体調を崩さないよう、ご自愛くださいませ。
さて、本日は、”バフェットの銘柄選択術”で学んだ分析方法を使って、企業分析を実践してみます。第1回目の分析対象は、コカ・コーラボトラーズジャパンHD(銘柄コード:2579、以下同社と呼びます)です。
なぜ同社を選んだかというと、”バフェットの銘柄選択術”の中では、コカ・コーラは消費者独占企業の代表例として紹介されているからです。例えば、著者がインドネシアの山奥をドライブした際、スタンドで唯一売っていたのがコカ・コーラだった話やコカ・コーラはあまりにも人気なのでどの店も置かざるをえなくなる(=他の競合品を選択する余地がないくらいブランドが強い)等です。もしペプシ好きの方がいらっしゃたら、ごめんなさい苦笑。
また、バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイのポートフォリオに、The Coca-Cola companyが組み込まれていることも理由の一つです。ちなみに、ポートフォリオに占める割合を高い順から並べると、The Coca-Cola companyは、Apple Inc.(26.2%), American Express Company(15.4%), Bank of America Corporation(11.9%)に次いで、10.8%で4番目です(執筆時点、https://jp.investing.com/pro/ideas/warren-buffett)。
そのため、アメリカのThe Coca-Cola companyが消費者独占企業なら、きっと日本の同社も消費者独占企業ではないか?との仮説を立てました。
さて、分析に入る前に、バフェットの銘柄選択術の13項目を軽く要約します。13項目は企業分析と株価分析の2つのパートに分かれています。13項目すべて確認するのではなく、質問に対して”いいえ”の項目があった時点で分析を止めて、他のもっとよい企業を分析することが推奨されています。もし、13項目の具体的な内容を知りたい方は、ぜひ昨日の記事(https://ted-lifeblog.com/%e3%83%90%e3%83%95%e3%82%a7%e3%83%83%e3%83%88%e6%b5%81%e9%8a%98%e6%9f%84%e9%81%b8%e6%8a%9e%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae13%e3%81%ae%e3%83%81%e3%82%a7%e3%83%83%e3%82%af%e9%a0%85%e7%9b%ae/26/)をご一読ください。また、分析はあくまで私見ですので、投資される際は自己責任でお願いいたします。
それでは、同社の分析を始めていきます。確認項目は質問形式なので、有価証券報告書や統合報告書で調べた結果をもとに、一つずつ回答していきます。
企業分析
Q1.その企業は消費者独占力を持っているか?
日本でもコカ・コーラといえば、コンビニ・自販機・スーパーのみならず、娯楽施設や飲食店でも置いていない方が少ないくらいだと思います。そのため、答えは、”はい”が該当すると考えます。ちなみに、日本のコカ・コーラシステムは、企画・研究開発・現液製造を担当する日本コカ・コーラと製品の製造・販売・回収する同社(5つのボトラー)に分かれています(https://www.ccbji.co.jp/corporate/activity/)。
念の為、ChatGPTにQ1を訊いたら、「コカ・コーラ ボトラーズジャパン自体は、バフェットの定義する「消費者独占企業」には該当しません。ブランド戦略を担うのは米国本社(The Coca-Cola Company)であり、本社は消費者独占企業といえます。」との回答でした。確かに、そのような意見もありますが、同社のサイトには日本コカ・コーラが企画などを担うと書かれているので、質問への回答は”はい”で進めます。
Q2.その企業の事業内容を理解しているか?
一言で説明するのが難しいので、ChatGPTに同社の事業内容をビジネスキャンバスでまとめてもらいました。ビジネスキャンバスを詳しく知りたい方は、https://hybrid-technologies.co.jp/blog/knowhow/20230313/#:~:text=%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%AE%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E5%AE%B6%E3%81%AB%E3%82%88%E3%81%A3%E3%81%A6,%E3%81%A7%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82をご一読ください。その後、有価証券報告書や統合報告書(https://www.ccbj-holdings.com/ir/pdf/ja/annual/2023/2023_all.pdf)などをチェックして、修正したのが下記の図です。
+——————–+——————————————————+
| キー・パートナー | – The Coca-Cola Company(米国本社) |
| | – 原材料・資材サプライヤー(PETボトル、砂糖など) |
| | – 小売店・自動販売機運営会社 |
+——————–+——————————————————+
| キー・アクティビティ | – コカ・コーラ製品の製造・ボトリング |
| | – 流通・販売(自動販売機、スーパー、コンビニなど) |
| | – マーケットリサーチと販促活動 |
+——————–+——————————————————+
| 価値提案 | – 高品質な飲料製品の安定供給 (特定保健用食品・機能性表示品)|
| | – 強力なブランド力と多様な製品ラインナップ(日本向け40ブランド(綾鷹、檸檬堂等) |
| | – 広範な販売ネットワーク(自販機・小売・ECなど) |
+——————–+——————————————————+
| 顧客との関係 | – 小売店・自販機オペレーターとのB2B関係 |
| | – 消費者向けプロモーション(CM・SNSなど) |
| | – データ分析による消費者動向の把握(Coke on等) |
+——————–+——————————————————+
| 顧客セグメント| – コンビニ・スーパー・ドラッグストア |
| | – 自動販売機ユーザー |
| | – 飲食店・業務用顧客(レストラン・カフェなど) |
+——————–+——————————————————+
| キーリソース | – 製造工場・物流ネットワーク(17工場,2メガ配送センター) |
| | – コカ・コーラブランドのライセンス |
| | – データ分析・マーケティングノウハウ ・IT機能の最適化(アクセンチュアとの合弁会社設立)|
+——————–+——————————————————+
| チャネル | – 自動販売機 |
| | – スーパー・コンビニ・ドラッグストア
| | – オンライン販売・リテール(職場・学校向卸売)・フードサービス(飲食店向け卸売)| |
+——————–+——————————————————+
| コスト構造 | – 製造・原材料コスト(砂糖・水・炭酸・PETボトルなど原材料価格の上昇) |
| | – 物流・流通コスト |
| | – 広告・マーケティング費用・人件費 |
+——————–+——————————————————+
| 収益の流れ | – 飲料販売収益(B2B・B2C、2022年以降6回の価格改定を実施済) |
| | – 自動販売機の運営収益 |
| | – 企業向け販促・マーケティング支援 |
+——————–+——————————————————+
Q3.その企業の製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
日本の清涼飲料水市場規模は、過去29年間で1.8倍に成長した(統合報告書より)。また、顧客がCokeやお茶などの飲み方、飲むタイミング、飲む量が大きく変わるとは考えにくいので、陳腐化はしにくいと想定される。
Q4.その企業はコングロマリットか?
統合報告書によると、同社は、日本の清涼飲料水市場に集中している。中でも、炭酸(Coke、ファンタ)、茶系(綾鷹)、コーヒー(ジョージア、コスタコーヒー)、アルコール(檸檬堂、ジャックダニエル・コーラ)のセグメントに集中している。
Q5. その企業の1株あたりの利益(EPS)は、安定成長しているか?
過去の10年間のEPS(円)、ROE(%)は下記の通り(同社59期~66期の有価証券報告書から作成)。EPSは、7.52円から127.31円までの範囲で動いている。振れ幅が大きく、右肩上がりの安定成長しているとは言い難い。従って、回答は”いいえ”となる。
年 EPS(円) ROE(%)
2014 127.31 5.7
2015 63.96 2.8
2016 110.26 4.8
2017 28.52 1.2
2018 22.89 1.2
2019 115.11 6.2
2020 87.77 4.7
2021 102.57 5.3
2022 8.71 0.4
2023 7.52 0.4
10年間の平均 67.46 3.3%
年平均成長率(%) -24.64% -23.33%
Q6.その企業は安定的に高い株主資本利益率(ROE)を上げているのか?
同社の平均ROEは、3.3%(Q5参照)だった。10年前に比べて、直近のROEは下がっている。また、目安である平均ROEが15%以上であることをクリアしていないので、回答は”いいえ”となる。
Q7以降の質問は、Q5,Q6の質問をクリアできなかったので、分析を停止します。
残念ながら、バフェットの銘柄選択術のチェックリストで確認すると、同社を投資対象とするのは少し難しそうです。アメリカの親会社が消費者独占企業だからといって、必ずしも他の国の子会社が消費者独占企業となるわけではない、という事ですね。
今回、事業内容を一から分析するのは大変だったので、ChatGPTにビジネスキャンバスを利用してたたき台をまとめてもらうことで時間短縮を図りました。ChatGPTの回答は、他の企業でも当てはまりそうな一般的な回答になりがちです。しかし、有価証券報告書や統合報告書の記載を見て、たたき台が合っているか、たたき台の記載を示す事実は何かなどを確認していくと、意外とスムーズに進みました。よかったら皆さんもやってみてください。
13項目を全て満たす消費者独占企業を探すのは難しそうですが、引き続き挑戦して行きます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日も良い一日をお過ごしください!
コメント