週前半の火曜日、いかがお過ごしでしょうか。
今日は、エイプリル・フールですね。漢語的な表現では、万愚節というようです。諸説ありますが、インドでは揶揄説とも言うようです。
さて、本日は、”バフェットの銘柄選択術”で学んだ分析方法を使って、企業分析を実践してみます。本日は、伊藤忠商事(銘柄コード:8001、以下同社と呼びます)です。バフェットは2020年に5大商社(三井物産、三菱商事、丸紅、住友商事、伊藤忠商事)の株式をそれぞれ7~8%程度購入しています。また、3月17日には、それぞれ9%程度の株式を追加購入しました。
企業分析パート
Q1.その企業は消費者独占力を持っているか
同社は、金属、機械、エネルギー・化学品、住生活、情報・金融、繊維、第8(新しいビジネスエリア開拓やファミリマートの運営)の8分野において、トレーディング(仲介業)と事業投資(他社の株式の取得)を行う総合商社です。
下記のバフェットの判定基準にそって判断します。
Q.採算を度外視したとして、同社と同程度の競争力のある企業を作れるか?
A.同業他社が複数あるので、同等の企業を作れないと断定することはできません。しかし、93拠点での事業展開を考慮すると、新規参入企業を作るのは非常に困難です。
Q.同社の製品の品質、ユニークさはお客が購入する最大の決め手となっているか?
A.他にも同様の製品やサービスを提供する会社があるので、”はい”とは言えません。しかし、金属資源だけではなく、住生活や情報・金融にも手を伸ばしています。そのため、様々な事業を持つコングロマリットとしてのユニークさがあります。
Q2.その企業の事業内容を理解しているか?
一言で説明するのが難しいので、ChatGPTに同社の事業内容をビジネスキャンバスでまとめてもらいました。その後、有価証券報告書、統合報告書等をチェックして、修正したのが下記の図です。
顧客セグメント
・金属、機械、エネルギー・化学品、住生活、情報・金融、繊維等の分野で多岐にわたる顧客
・資源だけではなく、機械(プラント、船舶、航空機、建設機械等)やファミリマート等の川下起点からのバリューチェーン変革の取り組み
価値提案
・近江の商人の三方よしを中心に据えた「商人型」価値創造サイクルを実現
チャネル
・連結対象263社での企画、営業活動
顧客との関係
・国内外の民間組織との長期的かつ強固なパートナーシップを締結
収益の流れ
・過去3年間の基礎収益の比率は、金属資産(29.8%)、機械(13.8%)、エネルギー・化学品(12%)、住生活(9.9%)、情報・金融(9.2%)(2024年度統合報告書, p51有価証券報告書)
主要活動
・グローバルなネットワーク、専門知識、資本力
主要リソース
・連結従業員数:113,733名の人的資本
・連結総資産14.5兆円の財務資本
パートナー
・各業界の企業、政府機関、地域コミュニティなど、多様なパートナーと協力(例:CITIC Bank(中国)、日立建機との協業、大建工業の非公開化等)
・顧客を含めた取引先の特定投資株式の保有が特徴的(約60社程度)
コスト構造
・原価率が約78~97%、販管費率は10~16%程度
・連結対象会社の黒字化率92%
Q3.その企業の製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
金属やエネルギーなどの資源を扱うビジネスだけではなく、今後成長が見込めそうな住生活、情報・金融、ファミリマートの変革等を実施ししています。また、China CITIC Bank(中国中信銀行)へも投資しています。答えは、”はい”が該当します。
Q4.その企業はコングロマリットか?
有価証券報告書では、同社の事業は、金属、機械、エネルギー・化学品、住生活、情報・金融、繊維、第8(新しいビジネスエリア開拓、ファミリマート)の8分野のセグメントでした。傘下の263社の連結子会社は、上記の事業のいずれかの事業に属しています。そのため、回答は”はい”です。
企業分析パートのQ4までは、以上です。いかがでしたでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日も良い一日をお過ごしください!
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