皆さん、こんばんは。
連休の合間の月曜日、いかがお過ごしでしょうか。
今から29年前の1996年2月10日は、 IBMのスーパーコンピューター「ディープ・ブルー」がチェス世界王者ガルリ・カスパロフ(当時の世界チャンピオン)と対戦した日のようです。ディープ・ブルーは、初戦で勝ちました。しかし、その後世界王者が巻き返し、結果は、世界王者が4勝1敗1分でした。約30年前は人間がまだ勝っていたことを考えると、今のAI技術の進歩は凄まじいものがありますね。
さて、本日は、”バフェットの銘柄選択術”で学んだ分析方法を使って、企業分析を実践してみます。第2回目の分析対象は、日本マクドナルドHD(銘柄コード:2502、以下同社と呼びます)です。
さて、分析に入る前に、バフェットの銘柄選択術の13項目を軽く要約します。13項目は企業分析と株価分析の2つのパートに分かれています。13項目すべて確認するのではなく、質問に対して”いいえ”の項目があった時点で分析を止めて、他のもっとよい企業を分析することが推奨されています。もし、13項目の具体的な内容を知りたい方は、ぜひ以前の記事(https://ted-lifeblog.com/%e3%83%90%e3%83%95%e3%82%a7%e3%83%83%e3%83%88%e6%b5%81%e9%8a%98%e6%9f%84%e9%81%b8%e6%8a%9e%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae13%e3%81%ae%e3%83%81%e3%82%a7%e3%83%83%e3%82%af%e9%a0%85%e7%9b%ae/26/)をご一読ください。また、分析はあくまで私見ですので、投資される際は自己責任でお願いいたします。
それでは、同社の分析を始めていきます。確認項目は質問形式なので、有価証券報告書や統合報告書で調べた結果をもとに、一つずつ回答していきます。
企業分析
Q1.その企業は消費者独占力を持っているか?
日本でもマックと言えば、一度は、店舗やテレビCMを見たり、ハンバーガーを食べた事がある方も多いのではないでしょうか。そのため、答えは、”はい”が該当すると考えます。ちなみに、日本マクドナルドは、グループ連結経営の立案・実行する日本マクドナルドホールディングス株式会社(同社)と、実際にハンバーガー・レストラン・チェーンの経営などを実施する日本マクドナルド株式会社に分かれます(https://www.mcdonalds.co.jp/company/outline/gaiyo/)。
念の為、ChatGPTにQ1を訊いたら、「消費者独占企業ではないが、ブランド力は強い。日本マクドナルドは強力なブランドを持つが、競争が激しく、価格決定権が弱いため、消費者独占企業とは言いにくい。しかし、安定したビジネスモデルとブランド力を活かして、長期的に成長を続けている企業といえる。」との回答でした。特に、ChatGPTは価格決定について、
1)競争が激しい(モスバーガー、ケンタッキー、すき家、コンビニのハンバーガーなど)
2)値上げすると客が離れる可能性あり(日本では価格に敏感な消費者が多い)
3)コスト上昇の影響を受けやすい(原材料費・人件費・為替など)。
などの点が、消費者独占企業に当てはまらない理由として挙げられていました。しかし、個人的には消費者独占企業に近いと考えるので、回答は”はい”で分析を進めます。
Q2.その企業の事業内容を理解しているか?
一言で説明するのが難しいので、ChatGPTに同社の事業内容をビジネスキャンバスでまとめてもらいました。ビジネスキャンバスを詳しく知りたい方は、https://hybrid-technologies.co.jp/blog/knowhow/20230313/#:~:text=%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%90%E3%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%AE%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E5%AE%B6%E3%81%AB%E3%82%88%E3%81%A3%E3%81%A6,%E3%81%A7%E5%88%A9%E7%94%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82をご一読ください。その後、有価証券報告書や決算資料などをチェックして、修正したのが下記の図です。
📍 1. 顧客セグメント(誰に向けたビジネス?)
✅ ファストフードを求める人々(子供・学生・社会人・家族など)
✅ 低価格で手軽に食事をしたい人
✅ モバイルオーダーやデリバリーを利用する忙しい人
📍 2. 価値提案(どんな価値を提供している?)
✅ 早い・安い・うまい! → 手軽においしいハンバーガーを食べられる
✅ ブランドの信頼感 → 「どこでも同じ味」「清潔な店内」「ファミリー向け」
✅ 限定メニュー・キャンペーン → 「てりたま」「月見バーガー」「サムライマック」など
✅ デジタルサービス → 「モバイルオーダー」「マクドナルドアプリ」「マックデリバリー」
📍 3. チャネル(どうやって顧客に届ける?)
✅ 店舗 → 全国に2,982店舗(ショッピングモール・駅前・幹線道路沿いなど)
✅ デジタル → 「モバイルオーダー」「アプリクーポン」「LINE・SNS」
✅ デリバリー → 「マックデリバリー」「Uber Eats」「出前館」
📍 4. 顧客との関係(どうやってリピートしてもらう?)
✅ お得なクーポン → 「マクドナルドアプリ」で割引
✅ キャンペーン&コラボ → 「ハッピーセット」「ポケモン・ドラえもん・サンリオとコラボ」
📍 5. 収益の流れ(どうやってお金を稼ぐ?)
✅ 商品販売 → 「ハンバーガー」「ポテト」「ドリンク」などの売上
✅ フランチャイズ収入 → フランチャイズ加盟店からのロイヤリティ(使用料)
✅ 広告&プロモーション → 「ハッピーセット×映画・アニメ企業とのタイアップ」
📍 6. 主要リソース(ビジネスに必要なもの)
✅ 店舗ネットワーク → 日本全国の2,982店以上の店舗
✅ ブランド力 → 世界中で知られる「マクドナルド」ブランド
✅ デジタルインフラ → 「アプリ」「デリバリーシステム」「POSレジシステム」「デジタルCDP(トレーニング教材)」
📍 7. 主要活動(何をやっている?)
✅ ハンバーガーの製造・販売(マクドナルド独自のレシピ)
✅ マーケティング・プロモーション(季節限定メニュー・コラボ戦略)
✅ フランチャイズ管理(加盟店のサポート・品質管理)
📍 8. 主要パートナー(誰と一緒にやっている?)
✅ フランチャイズ加盟店 → マクドナルドのブランドで営業する独立オーナーたち
✅ サプライヤー(食材)、パートナー(配送業務効率化) → 「HAVIサプライチェーン・ソリューションズ・ジャパン(配送効率化)」「株式会社富士エコー(配送効率化)」など
✅ デリバリー企業 → 「Uber Eats」「出前館」
📍 9. コスト構造(何にお金がかかる?)
✅ 原材料費(ビーフ・チキン・ポテト・バンズなどの食材)
✅ 人件費(店舗のアルバイト・社員の給与)
✅ マーケティング費用(テレビCM・アプリ運営・SNS広告)
✅ 店舗運営費(家賃・光熱費・設備メンテナンス)
Q3.その企業の製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?
顧客がマクドナルドでサービスをうけるタイミングや頻度は大きく変わるとは考えにくいので、陳腐化はしにくいと想定される。特に、デリバリーにも力を入れているので、With コロナ以降の顧客の消費スタイルにも合わせていると考えられる。
Q4.その企業はコングロマリットか?
統合報告書によると、同社は、”ハンバーガーレストラン単一事業であるため、セグメント情報に関連付けした記載を行っていません”とのことから、ハンバーガーレストランビジネスに集中している。
Q5. その企業の1株あたりの利益(EPS)は、安定成長しているか?
過去の10年間のEPS(円)、ROE(%)は下記の通り(同社2013~2023年の有価証券報告書から作成)。EPSは、-260円から189円までの範囲で動いている。振れ幅が大きいが、2016年以降ほぼ順調に安定成長している。従って、回答は”はい”となる。
年 EPS($) ROE(%)
2013 94.66 7.9
2014 -112.52 NA
2015 -260.5 NA
2016 39.42 4.9
2017 226.61 25
2018 82.86 8
2019 127 11.1
2020 151.83 12.1
2021 180.1 13
2022 149.96 9.9
2023 189.6 11.6
10年間の平均 79.00円 11.5%
年平均成長率(%) 7.19% 3.92%
Q6.その企業は安定的に高い株主資本利益率(ROE)を上げているのか?
同社の10年間の平均ROEは、11.5%(Q5参照)だった。10年前に比べて、直近のROEは概ね上がっている。また、目安である平均ROEが15%以上ではない。しかし、日本の株式市場のROEの目安である8~10%をだいたいクリアしているので、回答は”はい”となる。
Q7. その企業は、強固な財務基盤を有しているか?
2023年の負債合計を経常利益で割ると、84,720百万/40,734百万 = 約2.0 となる。これは、負債合計を税引後利益で返済するには約2年かかることになる。事業によって異なるがかなり少ないと思われる。また、2021年以降、有利子負債はないので、強い財務基盤を有していると判断する(IRBANK https://irbank.net/E03366/bs)。
Q8.その企業は自社株買いに積極的か?
有価証券報告書によると、自社株買いの記録はなし。
Q9.その企業の製品・サービス価格の上昇はインフレ率を上回っているか?
20年前のハンバーガーの価格がネットを調べてもわからなかったので、10年前の価格で調べた。結果は、3.54%なので、価格の上昇はインフレ率を上回っている(2013年のハンバーガーの価格, https://w.atwiki.jp/mcdonalds/pages/25.html)。
計算式:(直近のハンバーガーの価格/10年前の製品価格)^(1/10)-1 = (170/120)^(1/10)-1 = 3.54
Q9-1.建物や設備の更新に大きな投資が必要か?
有価証券報告書によると、建物や設備、研究開発には大き投資は必要なし。
企業分析パートは、以上です。いかがでしたでしょうか?
数字を見ていくと、消費者独占企業に近い印象を受けました。また、2024年通期業績は、2022年~2024年通期経営計画の数字を全て達成し、既存店売上は37四半期連続増であることもわかりました(https://svss.tv/admin/sv/chapter/file_691_1738922528888.pdf)。さて、今回は長文となってしまったので、株価分析パートは明日以降に記載します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日も良い一日をお過ごしください!
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