日本マクドナルドHDをバフェット流に分析してみた(3)

マクドナルド ハンバーガー 投資

皆さん、こんにちは。

2月11日建国記念日の今日、いかがお過ごしでしょうか。ゆっくりお休みされている方も、仕事を頑張っている方も、寒さに気をつけて充実した時間をお過ごしください。また、1922年の今日は、江崎商店(現在の江崎グリコ株式会社)から「グリコキャラメル」が発売された日でもあるようです(ChatGPT調べ)。グリコキャラメルは、100年以上のロングラン製品なのですね。改めて驚きです。永続的な企業価値を持つ製品かどうか、ちょっと調べてみたくなります笑。

さて、本日は、昨日に続き”バフェットの銘柄選択術”で学んだ分析方法を使って、日本マクドナルドHD(銘柄コード:2502、以下同社と呼びます)を分析します。また、分析はあくまで私見ですので、投資される際は自己責任でお願いいたします。

それでは、同社の株価分析を始めていきます。確認項目は質問形式なので、有価証券報告書や統合報告書で調べた結果をもとに、一つずつ回答していきます。

株価分析パート

Q10.その企業の株価は、相場全体の下落や景気後退、一時的な経営問題などのために下落しているか?

 いいえ。特に上記の理由で下落していない。また、2月10日の東証の時価総額からバフェット指数を計算すると、市場全体はどちらかといえば、割高になっている。

バフェット指数 = 株式市場の時価総額/名目GDP総額✕100 = 984兆円(東証プライム・スタンダード・グロースの時価総額)/595兆円*100 = 166%

バフェット指数の一般的な判断の基準は、以下のとおりです。

100%以下:市場は割安。100%~120%:市場は適正な範囲内。120%以上:市場は割高。

Q11.株式の益利回りと利益の予想成長率を計算し、国債利回りと比較せよ

 マクドナルドの2023年のEPSは、189.5円である。これを2024年2月の10年もの国債利回り1.21%で割ると、国債に対する相対価値は、157円となる。これに対して、実際の株価は、6,000円から6,200円の範囲にあり、仮に2月10日に購入したとすると6,120円となる。購入単価に対する直利を求めると、3.1%(189.5円/6,120円=3.1%)。同社の過去10年のEPS成長率は年平均7.19%だから(昨日のQ5参照)、同社の株は、初年度直利が3.1%で、毎年7.19%ずつ、クーポンが成長する疑似債券と見ることができる。従って、この疑似債権と、利回り1.21%に固定されている国債のどちらに投資するかということになる。

Q12.株式を疑似債券と考え、期待収益率を計算せよ

 株式を疑似債券とみなすと、債券と同じように期待収益率を計算できる。具体的には、以下の方法である。

 1)Q6で計算した過去10年の平均ROEから、配当として支払われる部分(ROE*平均配当性向)を差し引いた純粋な株主資本の予想成長率を求める。

株主資本の予想成長率=過去10年の平均ROE*内部留保率(1-配当性指向)= 11.5%*80% = 9.2%

 2)株主資本の予想成長率と直近の1株あたりの株主資本(BPS)から、10年後の予想BPSを計算する。

予想BPS=直近のBPS*(1+株主資本の予想成長率)^10 = 1,039円*(1+0.092)^10 = 2,506円

 3)予想BPSと平均ROEを掛けて予想EPS(Earning per share, 1株あたりの利益, 税引利益/発行済株式数)を計算する

予想EPS=予想BPS*平均ROE = 2,506円*11.5% = 288円

 4)予想EPSに過去10年間の平均PER(Price Earnings Ratio, 株価収益率, 株価/一株あたりの利益)を掛けて10年後の予想株価を求める

10年後の予想株価下限 = 予想EPS*過去10年間の最低PER = 288円*4.9倍 = 1,412円

10年後の予想株価上限 = 予想EPS*過去10年間の最高PER = 288円*41.3倍 = 11,901円

 5)10年後の予想株価に今後10年分の予想配当金合計額を加えた値と、現在の株価から今後10年間の期待収益率を計算する。計算式は、期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1 である。

税引前手取金額(下限)=10年後の予想株価の下限+今後10年分の予想配当金合計額=1,412+566.76=1,979円

税引前手取金額(上限)=10年後の予想株価の上限+今後10年分の予想配当金合計額=11,901+566.76=12,468円

税引前手取金額(下限)の期待収益率=(1,979円/6,120円)^(1/10)-1 = -10.68%

税引前手取金額(上限)の期待収益率=(12,468円/6,120円)^(1/10)-1 = 7.38%

Q13.過去のEPS成長率を元に計算する手法で、期待収益率を計算せよ

 1)直近のEPSと10年前のEPSをもとに、過去の平均EPS成長率を出す。計算式は、過去の平均EPS成長率=(直近のEPS/10年前のEPS)^(1/10)-1 

過去のEPS平均成長率=(189.6円/94.66円)^(1/10)-1 =7.19%

 2)直近のEPSと過去10年間の平均EPS成長率に基づいて、10年後の予想EPSを計算する。計算式は、予想EPS=直近のEPS✕(1+過去の平均EPS成長率)^10である

同社のEPSが、過去10年間の成長率と同じ7.19%で今後も成長を続け、配当性向が20%で維持されるなら、2024年から2033年にかけてのEPSと配当の状況は、以下のように予想される。

年 予想EPS(円) 予想配当(円)
2023 189.6 42 基準年
2024 203.24 40.65
2025 217.86 43.57
2026 233.53 46.71
2027 250.33 50.07
2028 268.33 53.67
2029 287.63 57.53
2030 308.32 61.66
2031 330.50 66.10
2032 354.28 70.86
2033 379.76 75.95(2024年~2033年の配当合計は、約566.76円)

 3)予想EPSに過去10年間の平均PERをかけて、10年後の予想株価を求める

10年後の予想株価下限 =2033年の予想EPS*過去10年間の最低PER = 379.76円*4.9倍 = 1,861円

10年後の予想株価上限 = 2033年の予想EPS*過去10年間の最高PER = 379.76円*41.3倍 = 15,684円

 4)10年後の予想株価と現在の株価から今後10年間の期待収益率を計算する。計算式は、期待収益率=(10年後の予想株価/現在の株価)^(1/10)-1 である。

税引前手取金額(下限)=10年後の予想株価の下限+今後10年分の予想配当金合計額=1,861+566.76=2,428円

税引前手取金額(上限)=10年後の予想株価の上限+今後10年分の予想配当金合計額=15,684+566.76=16,251円

税引前手取金額(下限)の期待収益率=(2,428円/6,120円)^(1/10)-1 = -8.83%

税引前手取金額(上限)の期待収益率=(16,251円/6,120円)^(1/10)-1 = 10.26%

株価分析のまとめ

仮に、2月10日時点の価格6,120円で同社の株を1株購入したとします。同社の株を、疑似債券としてみると、初年度の直利は3.1%、クーポンの成長率は、7.19%となります。これを元に同社の株を10年間保有する場合の期待収益率を計算すると、税引前で-10.68%(Q12のPER4.9倍のケース)から、10.26%(Q13のPER41.3倍のケース)の範囲という結果が得られます。

つまり、期待収益率が-10.68%~10.68%なので損得の範囲の幅がちょうど同じくらいでしょうか。以上が、株価分析パートでした。いかがでしょうか?

結果評価パート

この分析がどの程度正しいかは、最終的には2033年まで待ってみないと難しいです。しかし、2024年の同社の決算短信(https://f.irbank.net/pdf/20250206/140120250205564095.pdf)から2024年のみ数字で検証したのが以下の表です。

年 予想EPS($) 実績EPS($) 予想に対する誤差 予想配当(円) 実績予想配当(円) 予想に対する誤差
2023 189.60 189.60 0.0% 42 42 0.0%
2024 203.24 240.39 18.3% 40.65 49 20.5%

2024年の実績EPSは240.39円で、予想よりも+18.3%。配当金は49円で、予想よりも+20.5%でした。配当性向は20.4%でほぼ予想通りでした

さて、私個人としては、同社は消費者独占企業としても良いように思います。同社はアメリカのマクドナルドのフランチャイズ制やビジネスの方法論を踏襲しています。しかし、ハンバーガーのメニュー(月見バーガー等)やプロモーション(ポケモンとコラボしたハッピーセット等)などコンテンツ面では、日本のものを取り入れています。今回、期待収益率の下限がマイナスのため、購入はちょっと微妙かと思っています。しかし、2025年2月10日の同社のPERは27倍なので、PERが下がってきたら買えるよう引き続き、ウォッチリストに入れて置きたいと思います。

バフェットの企業分析、株価分析はいかがでしょうか?数字が多くて疲れた・・・という方、ごめんなさい。

今回、皆さんにお届けしたかったのは、バフェットの分析方法だとなんと10年後の予想株価や期待収益率の範囲まで具体的に計算できるという点です。私も今回、バフェットの銘柄選択術の13項目を初めて全て分析しました。そして感じたのは、バフェットの方法はすごいな、と言う事でした。エクセルに有価証券報告書の数字を入れて分析するとちょっとワクワクしました笑。

最後まで読んで読んでいただき、本当にございます。今日も良い一日をお過ごしください!

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