SHOEIをバフェット流に分析してみた(1)

5月第3週の火曜日、いかがお過ごしでしょうか。

今日は、愛犬の日(犬の日)だそうです。犬を飼っている方には愛犬と過ごす良い一日になりそうですね。

さて、本日も、”バフェットの銘柄選択術”で学んだ分析方法を使って、企業分析を実践してみます。本日は、SHOEI(銘柄コード:7839、以下同社と呼びます)です。同社は、プライム市場に上場しています。

企業分析パート

Q1.その企業は消費者独占力を持っているか

同社は、同社および連結子会社7社から構成されています。主に乗車用ヘルメットの製造販売を行っています。

下記のバフェットの判定基準にそって判断します。

Q.採算を度外視したとして、同社と同程度の競争力のある企業を作れるか?

A.同業他社がいくつかあるので、同等の企業を作れないと断定することはできません。しかし、MotoGPなどの世界最高峰レースで多くのライダーが同社のヘルメットを使用しているので、新規参入企業を作るのは非常に困難です。

Q.同社の製品の品質、ユニークさはお客が購入する最大の決め手となっているか?

A.ほぼ”はい”とは言えます。プレミアムヘルメットの世界市場は、1,200億円です。このうち、メーカー別売上高の60%でトップシェアを取っているのがSHOEIです(出所 https://www.shoei.com/about/global.html)。同社は、高品質なヘルメットブランドを60年掛けて築き上げてきました。

Q2.その企業の事業内容を理解しているか?

一言で説明するのが難しいので、ChatGPTに同社の事業内容をビジネスキャンバスでまとめてもらいました。その後、有価証券報告書、統合報告書等をチェックして、修正したのが下記の図です。

顧客セグメント(Customer Segments)

  • バイク/モータースポーツ愛好家
  • プロレーサー・ツーリングライダー
  • 警察・消防など公的機関
  • 全世界約 5大陸・60か国

2.価値提案(Value Propositions)

  • 最高レベルの安全性
    • バイク用ヘルメットの安全性に関する欧州の基準(UN規格 ECE 22-05) をクリア
  • 快適+スタイリッシュ
    • 一人ひとりの頭部の形状に合わせて最適な被り心地に調整するパーソナルフィッティングシステム(PFS)の実現
    • ヘルメットのディスプレイにルート案内などの情報を表示するヘッドアップディスプレイ内蔵ヘルメット(OPTICSOM)の開発
  • “Made in Japan” 品質
    • 国内 茨城・岩手 2箇所の自社工場で一貫生産

3.チャネル(Channels)

  • 子会社(ドイツ、フランス、イタリア、タイ、日本、中国)
  • 公式オンラインストア
  • ユーザーとの距離を縮める直営店(SHOEI Gallery、日本で5店舗、パリで1店舗)
  • モーターサイクルショー等の展示イベント

4.顧客との関係(Customer Relationships)

  • アフターサービス
    • 部品交換(シールド・内装パッド)
    • 定期メンテナンス対応

5.収益の流れ(Revenue Streams)

  • ヘルメット本体の販売
  • 交換用シールド・アクセサリー
  • 限定コラボモデル(プレミアム価格設定)

6.主要リソース(Key Resources)

  • 人材:785名(2024年9月末時点)※ shoei.com
  • 技術:取得済特許200件を誇る研究開発
  • 製造拠点:茨城工場/岩手工場
  • ブランド力:“SHOEI”

7.主要活動(Key Activities)


8.主要パートナー(Key Partnerships)

  • モータースポーツチーム(MotoGPライダー多数)
  • 公的機関(JIS・UN ECE規格の共同開発)

9.コスト構造(Cost Structure)

  • 販促費(広告・展示会出展費)
  • 研究開発費
  • 工場運営費用(人件費・設備維持費)
  • 品質管理費(衝突試験・検査費用)

Q3.その企業の製品・サービスは20年後も陳腐化していないか?

二輪先進国での少子高齢化による若年層のライダーの減少は、売上減少のリスクとして考えられます。しかし、ヘルメットそのものはなくなることがないので、陳腐化しにくいです。そのため、答えは、”はい”が該当します。

Q4.その企業はコングロマリットか?

有価証券報告書では、同社の事業は、ヘルメット関連事業の1つの単一セグメントでした。そのため、回答は”いいえ”です。

企業分析パートのQ4までは、以上です。いかがでしたでしょうか?

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今日も良い一日をお過ごしください!

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