「スノーボール」:投資の神様ウォーレン・バフェットの素顔とは?

「お金持ちになりたい」
そう思ったこと、誰だって一度はあるはず。でも、人生そのものを“投資”として考えたこと、ありますか?

ウォーレン・バフェット。世界一有名な投資家にして、世界有数の大富豪。彼の人生を描いたのがこの一冊、『スノーボール』です。

◆ タイトルの意味=雪玉転がし

「スノーボール」って、要は“複利”のイメージです。
小さな雪玉(利益)を転がしてたら、いつの間にか大きくなる。バフェットはまさにそれを地で行った人です。

◆ 子ども時代から「お金」に夢中

バフェットは子どものころから数字とお金に異常なまでに興味を持っていました。

6歳でチューインガムを売り始め、11歳で初めて株を買う。
高校生になる頃には、ピンボールマシンの設置ビジネスで月数百ドルの利益を出していたとか。また、同級生とゴルフ場のウォーターハザードに落ちたボールを拾って売るビジネスをやったりしていました。原価ゼロで利益を上げる仕組みづくり、うまいですね。

でも彼が目指したのは「金持ちになること」じゃなくて、「経済的に自由になること」。
お金を使って派手に暮らしたかったわけではなく、“自分で選べる人生”を手に入れたかったのです。

◆ ハーバード不合格 → コロンビア大で運命の出会い

バフェットは大学卒業後、ハーバードMBAに落ちます
でも、諦めずに出願したコロンビア大学で、投資の師・ベンジャミン・グレアムと出会います。

「株はビジネスの一部を買うということ」
「価格と価値は違う」

この考え方に出会ったことで、バフェットの投資哲学は確立していきます。

◆ ワシントン・ポストを救った“目利き”

1973年、米国は経済の混乱期。新聞社「ワシントン・ポスト」の株価も暴落し、市場は見放していました。でもバフェットは違いました。


「この会社の価値は、数字じゃ測れない」と判断し、創業家のグレアム家と信頼関係を築いたうえで出資。その後、ポストの価値は何倍にも膨れ上がり、この投資は“バフェット神話”の始まりのひとつとなります。

市場が冷え込むときでも、“人間の本質”と“企業の本質”を見抜いて投資できる――
それがバフェットの最大の強みでした。

シーズキャンディーズで学んだ「いいビジネス」とは?

1972年、バフェットはカリフォルニアのチョコレート会社「See’s Candies(シーズキャンディーズ)」の買収話を持ちかけられます。

当時のバフェットは「安く買える割安株」にしか興味がなかったので、年商が数千万ドルしかない小さな会社に、3000万ドル以上を出すのは抵抗がありました。

でも、チャーリー・マンガーがこう言います

「いいビジネスは、高くても買う価値がある。価格ではなく“質”を見ろ」

バフェットはこれをきっかけに「優良企業を適正価格で買う戦略」へと投資スタイルを変えていきます。
See’sはその後、何十年にもわたって安定して利益を上げ続け、“ブランド力”の価値をバフェットに教えた最初の企業となったのです。

◆ 人間くさい「バフェット」の素顔

バフェットは完璧な人間ではありません。むしろその逆。

・家族との関係は決して良好とは言えず
・偏食家で、コーラとポテトチップスが主食
・一日中、読み物と数字に没頭

ただ、その不器用さすら魅力的に見えるのがバフェットという人物の面白いところ。

「自分にとって大事なことだけに集中する」
これは、忙しいサラリーマンにとってもヒントになる生き方です。

◆ 投資中級者にこそ読んでほしい、投資の神様の人生を語る本

この本は上中下巻合わせて1,300ページ弱ですが、飽きるどころかどんどん引き込まれます。

  • 投資の神様の素顔を知りたい人
  • バフェットがリーマンショック等の困難にどのように取り組んだのかを知りたい人
  • 長期の資産形成を目指したいが、目の前の株価に一喜一憂しやすい人

そんな人にとって、バフェットの頭の中を“疑似体験”できる最高の一冊です。

📘 書籍情報:
『スノーボール ウォーレン・バフェット伝』アリス・シュローダー著
(上中下巻、文庫あり/Audible対応)

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